
僕が実践していた具体的な営業パターンを紹介します。僕の場合、1週間をお客さんの傾向の違いによって「月~木曜までの平日」「週末の金曜」「土日・祝日」の3つに分けました。
平日は朝7時台に会社のある杉並から出庫すると、とりあえず新宿を目指します。杉並区を出るまでにいきなり霞が関や丸の内までの高速利用客を拾えるのがベストですが、そういうケースはまれです。通常は、方南通りや青梅街道沿いを、新宿へ向かうお客さんがいないか探しながら走り、見つけられたらラッキーという感じです。新宿についたらすぐに西武新宿駅のそば、大ガードを通過してすぐのパチンコ店の前あたりにつけます。ここでは、西武新宿線で新宿まで来て、そこからタクシーで丸の内方面に向かうお客さんを拾いやすいからです。僕は平日午前中の主戦場を丸の内方面と決めていたので、ここでお客さんを乗せて丸の内に入るのが狙いです。ちなみに、JR新宿駅からタクシーで丸の内に向かうお客さんはほとんどいません。JR各線はもちろんのこと、地下鉄などの交通機関が充実しているからだと思います。逆に他の交通機関への接続が悪い西武新宿駅は絶好の穴場となるのです。
丸の内に入ると本腰を入れての営業開始です。朝8時から10時までは通勤時間帯なので、会社までタクシー出勤するエリート会社員を狙います。彼らは品川方面の、芝浦アイランドのような高層マンションに住んでいるので、その近辺まで行って流し、丸の内方面へ送るというパターンを繰り返します。
10時から夕方までの時間帯は、大企業の会社員の足の役割に徹します。銀行、証券、広告、テレビ、新聞、ゼネコン、自動車、家電メーカーあたりの人たちが相手です。彼らのビジネスフィールドは丸の内のオフィス街、銀座、新橋、築地、せいぜい浜松町、田町周辺まで。この区間を頻繁に往復するように動きます。ポイントは行った先で必ずお客を乗せて戻ってくることです。その連続性が重要です。丸の内から浜松町に行ったら、必ずそこから丸の内方面に行くお客さんを乗せて帰ってくるイメージです。僕は短距離客を数多くこなして稼ぐタイプだったので、空車のまま元居た場所に戻るようなことは極力避けていました。タクシー業務はまさにタイムイズマネーですから、1000円前後のお客さんに切れ目なく乗ってもらえることを最大限心がけました。
なお、丸の内のビジネスマンが新宿のオフィス街に向かうことはめったにありません。取引先の所在など含め、新宿の会社と丸の内の会社ではビジネスのフィールドが異なるからでしょう。

