長距離のお客さんを降ろした後、すぐに別のお客さんを拾えるケースはまれです。それに業界の規定で、決められた区域の外での営業が禁止されています。僕の所属していた杉並交通では、東京23区と武蔵野市、三鷹市以外では基本的にお客さんを拾うことはできません。なので、行った先から戻る際は、空車のまま高速に乗り、お客さんを拾える場所まで速攻で戻ります。杉並交通では千葉方面に行ったとき以外の戻りの高速代は自腹となります。でもそれは必要経費と考え、特に金曜深夜などは、入れ食い状態の赤坂、銀座に速攻で戻ります。高速を使わずに戻っても20分程度の時間差かもしれませんが、その10分、20分がとても貴重なのです。

戻りの高速では、東京から郊外に向かう反対車線にも目を配ります。法人タクシーが結構走っているようなら、まだまだ赤坂などにお客さんが残っている証拠だからです。ただ、個人タクシーの数は、多くてもあてになりません。個人タクシーは固定客を乗せているので、高級繁華街の状況とはあまり連動性がないからです。 なお、金曜の深夜は赤坂、銀座、六本木、西麻布あたりをはしごして飲む短距離客もたくさんいます。そういうお客さんをちょろちょろ乗せながら何回かに1回出る長距離客を期待するのです。長距離客を拾えるかどうかは運もありますが、お客さんの絶対数そのものが多いので、絶好の稼ぎ時であることは間違いありません。